国立科学博物館で特別展『1970年大阪万博の軌跡』2009in東京開催
セバスチャンのレポートです。
先日友人に誘われ、上野にある国立科学博物館に行ってまいりました。ハイ。
何故かと言いますと『1970年大阪万博の軌跡』という内容の特別展が行われているとのこと。
近年、マンガと映画で「20世紀少年」という作品の中にこの万博が出てくるので、万博を知らない世代の学生さんの間でも、中々興味ある対象となっているようでございますね。
私はバッチリ世代なのでございますが、当時を懐かしむ気持ちで喜んで出かけることにいたしました。
通称大阪万博。正式名称「日本万国博覧会」はなんと77カ国の参加のもと、
6400万人もの入場者を迎え、当時とても人気でございました。
その時代に生きた人たちは、みな博覧会に行きたがり、万博のヒット曲も生まれ、
まさに大ブームを起したのでございます。
さて、この展示会は博覧会当時の貴重な資料や、実際に展示してあった現物を間近に見ることができるということでたくさんの方が来場されていました。
平日に行ってきたのですが、当時を良く知るお年寄りから、全く知らない若い人まで老若男女がそれぞれ楽しまれていました。
まず入ったら日本館のユニフォームのマネキンに迎えられます。
白と赤を貴重にしたかわいらしいミニスカートのワンピースは当時の流行がしのばれ、懐かしい気持ちがいたしました。
このデザインは1960年パリコレに初めて日本人として出展された服飾デザイナーの中村乃武夫氏のデザインによるものでございます。
それから万博のマークやポスターが飾られていますが、そのそれぞれがとても面白いデザインで楽しめます。
そして中央には博覧会のジオラマが精巧に作られています。ジオラマはとても人気でたくさんの人が囲んでいます。
今の万博公園しか知らない世代の人は当時と今を比較して楽しんでおられました。
その後のコーナーにある当時日本館に展示していた幅約20mものタペストリー「かなしみの塔」と「よろこびの塔」には驚かされます。
「かなしみの塔」は原爆の様子が描かれています。観ているだけで胸をうつような迫力でございます。
このタペストリーは2010年の日本万国博覧会開催40周年に万博記念公園内で常設展示する予定なのだそうですが、
東京で見られるのは最初で最後かもしれないとのことで大変貴重でございました。
日本館のジオラマも展示されていました。さくらの花びらを模した形になっているのだそうでございます。
そしてリニアモーターカーの模型があります。子どもの頃、本当にこのリニアモーターカーの話に夢中になって
いた頃がある男性諸君も多かろうと思いますが、こちらの模型は内部の座席がサロンのようになっておりまして、
当時は日本館に展示されてました。
ロボット文楽人形が3体(八重垣姫、松王丸、若菜)も並んでいました。こちらも日本館に展示してありました。
39年ぶりに修復され再演しています。
企業もそれぞれ自慢の先端技術を紹介するパビリオンを出展していました。
日立グループ館のジオラマとユニフォームでございます。
ユニフォームは日本館のものと同じようにワンピース型のミニスカートで深緑の落ち着いたカラー。
ベレー帽もあり、こちらも中々素敵なものでございます。
松下館や電気通信館でも未来の電化製品や技術を紹介していました。
現在の携帯電話に当たるワイヤレスフォンはとても大きいものでしたが、受けると切るボタンが今の携帯のマークと同じなのに気づき、驚きでした。
そしてサンヨー館ではウルトラソニック・バスという座ったまま入浴できるという愛称「人間洗濯機」が注目を集めたのだそう。現在は介護用浴槽にその技術が生かされています。
今見たら形がその当時の未来マンガに出てきそうなもので、観覧のお客様にもとても人気でございました。
実際の航空写真はとても鮮やかでジオラマとは違いまた違う雰囲気で楽しめました。現在の万博公園のものもありましたので、比較もできます。
そして当時に日本館に展示されていた「月の石」の展示もありました。現在は国立科学博物館のに所蔵されています。
とても小さいものなので近くに寄ってみないとわかりませんが、アスファルトのような色でございました。
万博といったらこの人「岡本太郎」氏。シンボルとして有名な「太陽の塔」をデザインされただけではなく、この博覧会のテーマである「人類の進歩と調和」を見事にあらわされた偉大な芸術家でございます。
高さ65メートルの「太陽の塔」は外観の奇抜さで有名ですが、実は塔の内部の展示もすばらしいものでございます。
立体的に、「生命の樹」を軸に「地下」「地上」「空中」で過去、現在、未来をあらわし、生命の尊厳にスポットをあてているのでございます。誰もが一度観たら心に何かを訴えかけられるすばらしい作品でございます。
これが現在大阪でも中々公開されないので、もっと定期的に内部を見せていただけると嬉しいのでございますが・・。
大きな「万博オープニングの鍵」も岡本太郎氏の作品。デザインが本当にすばらしいものでございました。
お祭り広場から顔を出す「太陽の塔」を撮ってみましたが、内部はちゃんとしたジオラマになっていまして、
本当に「地下」「地上」「空中」をあらわすものだったことが良くわかります。
こちらは未来都市をレリーフにした渦巻都市。こちらもよく未来アニメやマンガで出てくる宇宙コロニーのようでとても精巧にできていました。
最後にはショーケースにその当時発売されていたグッズや非売品の商品が所狭しと並べられています。
中には当時の世俗がよくわかるものがたくさんありますので、一つ一つ観ていると時間がいくらあっても足りなくなっていまいそうでした。
ペナントも当時のものでございます。赤塚不二夫氏のニャロメの絵のものもありましたですよ。
出口前に当時のパンフレットなども、全部ではありませんが販売されています。アンティークな灰皿なんかは今も十分使えそうなデザイン。当時の記念コインやタイルなども売っていました。意外にリーズナブルで驚きましたが。
そして特別展記念で各パビリオンのスタンプコーナーと、映画「20世紀少年」のグッズの展示コーナーがあり
終了。
見ごたえ十分の楽しい展覧会でございました。
残り期間も大変少なくなってしまいましたが、ぜひ時間の許す方はご覧になってみてください。
すばらしい夢と未来を夢見た当時を思い出し、想像し、楽しめると思われますよ。ハイ。
【特別展『1970年大阪万博の軌跡』2009in東京開催概要】
日程:開催中~2/8(日)9:00~17:00(金曜日のみ20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
東京都台東区上野公園 7-20
ハローダイヤル:03-5777-8600
(交通)
JR「上野」駅公園口から徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅から徒歩10分
京成線「京成上野」駅から徒歩10分
入場料:大人1000円、小中高400円
※障害者手帳をお持ちの方と、介護者1名様は無料。日本館・地球館の常設展示も合わせて観覧可能。
※団体料金の設定はなし
○特別展会場内は写真撮影可能(三脚の使用は禁止)
○「一般・大学生」のうち、リピーターズパスをお持ちの方は、差額(400円)にて特別展に入場可能。
<観覧の方へのお願い>
ぺット(昆虫類含む)を連れての入館はご遠慮下さい。
(身体障害者補助犬(盲導犬, 聴導犬, 介助犬)の入館は可能です)
危険物、火気の持ち込みはお断りします。
お酒に酔った方の入館はお断りします。
ご飲食・喫煙は決められた場所でお願いします。
他のお客様のご迷惑になる行為はご遠慮下さい。
主催:国立科学博物館、日本万国博覧会記念機構、毎日放送、毎日新聞社
特別協賛:(財)日本ユニフォームセンター
協賛:NTT情報流通基盤総合研究所、三洋電機(株)、パナソニック(株)、(株)みどり会、(株)日立物流
協力:国立劇場、国立文楽劇場、(財)岡本太郎記念現代芸術振興財団、(株)丹青社、(株)乃村工藝社、住友電気工業(株)、アンティークEXPO、NPO法人人形浄瑠璃文楽座
特別協力:映画「20世紀少年」製作委員会
問合せ:独立行政法人 日本万国博覧会記念機構 営業推進課 広報宣伝係(電話:06-6877-3497)
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